こんにちは、フジタです。
本日、気象庁は関東甲信、東海、近畿、中国地方が梅雨明けしたとみられると発表がありました。
今年は関東では梅雨らしいまとまった雨は降らず、その分北九州では豪雨が続き甚大な被害がでました。
お亡くなりになられた方々、またご家族や周囲の方々へ心よりお見舞い申し上げます。
今日は数か月前の出来事なのですが、いろいろ思うことがあり記事にすることにしました。
某日、とあるきもの業界の大先生とお話しする機会がありました。
その先生のお母様はすでにお亡くなりになられておりますが、お母様もとても御高名な方でいらっしゃいます。
つまり二代目、ということですね。
その大先生が、最近、きものを三つ折りにしてしまうとか、しまうときは棚置きでもよいなどど推奨しているメディアがあるがいかがなものかとおっしゃっていました。
大先生曰く「そんなのダメよ!(# ゚Д゚)プンスコ!」だそうです。
なぜ三つ折りがダメなのか通常、本畳みにしたきものは衿下を基準に二つ折りにします。
三つ折りにすると、たたんだ折り目が上前の目立つところにびしっとついてしまいがちです。
箔押しされている物ですと、その折り目から箔が剥げてしまう可能性も…。
※三つ折りにしてしまうたとう紙もあります。
※折り目になるところにタオル等を挟むことでシワはある程度防ぐこともできます。なぜ棚に置いちゃダメなのかきものをしまう和タンスって桐が多いですよね。
桐タンスは防虫効果が高く、また防湿性/保湿性に優れており、火に強い、軽くて持ち運べる、木目が美しい、表面を削ることにより再生可能…などなど、きものを保管しておくにはとても適した家具なのですね。
棚置きでは、動物性繊維である絹は虫食いの被害にあいやすく、また室内の温度や湿度の影響をダイレクトに受けやすいため、と考えられます。
ダメ、な理由は分かりました。
それでも三つ折り、棚置きでもヨシとしている理由はなぜなんでしょうか。
現代の日常生活において、きものと洋服、どっちを着る機会が多いかといえば圧倒的に洋服ですよね。
きものを二つ折りにしてたとう紙に包んだ状態ですと、引き出しの内寸は98cmは欲しいところなのですが、洋服ダンスではなかなかそのサイズはありません。
(私もどうにかならないかとずいぶん探しましたが見つかりませんでした)あってもスペース的にそんな大きなタンス置けないわ…という方も多いはず。
したがって
三つ折りにして、折り目覚悟で洋服ダンスにしまうもしくは
二つ折りにして、風呂敷に包んでオープンラックの棚に収納するしかないんですよねぇ…。
つまりつまり。
小さいころからきものに触れ、それが当たり前で生活されてきた方には、そのあたりの諸事情がお分かりになりづらいのだなと気付いた次第でございます。
きものは着ることが一番のメンテナンス。
きもののためのベストな環境はひとつずつ整えていけばいいだけのことです。
と、大先生を前に生意気にも一言モノ申したい気持ちになったのでした。
でも言えないのでここでこっそり書いてみた、と。本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
きものを楽しもう!
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